SES契約の実態が知りたいという方や興味のある方へ!
元SES企業で働いていた経験から、実際にSESで働くことがおすすめできるのかまとめてみました!
SES契約とは
SES契約とは「System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)」の頭文字をとった呼び方です。
IT業界内では有名な契約形態ですね。名称にも入っている通りエンジニアの契約形態です。
業務での成果物の完成を目的とはしないのが特徴で、エンジニアの労働の提供を目的としている業務委託契約の一つです。
SES契約と派遣契約の違い
SES契約は派遣とかなり似ている働き方になってしまったりするので混同されがちです。
後に解説しますが、それがSES契約の問題点でもあります。
そして、たまにですがSES契約で働いているエンジニアでも派遣との違いをよくわかっていない人がいるくらいです。若手エンジニア・プログラマは聞いたことはあるけど、正直内容はよく分かってないって人が多い印象です。
SES契約と派遣契約の大きな違いは、どこからの指示で仕事をするかというところにあります。
派遣契約では、派遣先の指示で仕事することができますが、SES契約ではあくまで”派遣元”企業の指示に従って働かなければいけません。
言い換えると派遣先の会社はSES契約で参画しているエンジニアに直接作業指示をしてはいけないということです。(現実的にそれがどこまで守られているかは、みなさんのご想像にお任せします・・・)
場合によっては結構厳しい契約でもありますよね。
派遣・SESで同じ点は、どちらも技術力の高さや成果物のクオリティによって報酬がもらえるのではなく、「労働時間」に対して報酬が支払われます。
実態としては、長いこと契約している客先の場合などは対象のエンジニアの技術力もバレているので、その人のスキルによって時間単価が変わるってことも多かった気がします。
ぶっちゃけSES契約で働くことはおすすめできる?
正直に言います。
完全にSESが「悪」とまでは言いませんが、おすすめできるかといえば、
“おすすめではない“です・・・
これは伝え方がちょっと難しいのですが、「おすすめ!」と言ってしまうと優先してSES契約で働くことができる会社に入るべき!って捉えられてしまっても困るので・・・
そういうわけではないんですよ。
しかし、僕は1次受けでのシステム開発プロジェクトの厳しさも経験しました。
1次受けということは、その開発しているシステムの全責任を負わなければならないのが、自分(の会社)ということになります。
それに比べて、SES契約で働いている場合は、技術力を時間で提供しているだけなので極論、開発しているシステムがどうなろうと知ったこっちゃないです。(契約上は)
そのため、SES契約で働く場合などは実際にシステムを使用するエンドユーザーからの圧力などはあまり感じません。契約の中で最善は尽くしますけど、どうしようもなくなったら、謝るのは1次受けの方々ですよね?ってスタンスで仕事ができます。それはそれで気が楽な場合もあるのです。
また、それと同時に末端プログラマでの不満も経験しました。1次受けの会社のSEが満足に組むことができないプログラミングをして、新たな技術を勉強し、要件以外のシステム的に必要な色々なことを考慮して完成度の高いシステムを納品する。
だけど1次受けの会社の社員よりもこんなに低い給料か・・・やってられんわ!って感じです。
要は一長一短はあり、その人の仕事に対する向き合い方とか性格的な向き不向きとかでも変わるかなってところです。
案件ガチャといわれる原因
SESは巷では案件ガチャと言われたりしています。これもおすすめできない理由の一つです。
「案件ガチャ」と最初に言い出した人は、センスありますね。SES経験者からしても、まさしく上手くSESを表現できています。
SES企業に入ると案件なんてたくさんあります。そして、別々の案件に入っている社員同士は同じ会社の社員でもほとんど交流がありません。
僕も2、3年勤めていても話したことない社員が社内にいました。(地方の60~70人くらいの支社でしたが)
それくらいどの案件に入るかが、その人の職場環境を大きく左右するものなんです。
そしてそんなに大きく左右する案件は大体勝手に決まります。
僕が入社一年目の一番最初に入ってプロジェクトなんて、入る前日にマネージャーから
「明日から○○のプロジェクトで作業してもらうから。」
と言われて、かなりビビった記憶があります。
案件によって作業場所、作業内容、人間関係、残業の多さなどが全然違うのです。
同じ会社の社員で同じなのは給与体系だけです。いやホントに。
この環境って普通に考えたらヤバイことですよね。
しかのこのガチャは簡単に引き直すことができないですからね。
早ければ1、2ヶ月で終わる案件もありますが、長ければ数年続きます。
SESの闇まとめ~実際に体験したからこそ言えること~
- 「案件ガチャ」次第では、働く環境としては良い場合もある。
- 下請けとして時間単価で働く構造なので、長く勤めてもなかなか収入が上がらない。
- 案件によっては何年働いても単純作業ばかりでIT人材としてのスキルが身につかないこともある。
上記のような状況で働いているエンジニアは全国にたくさんいることでしょう。
また、運よく良い案件に参画できたとしても、その案件がいきなり終了し、炎上案件に投入される可能性だって全然あります。
短期間の腕試しだ!と割り切ってとりあえずIT業界に飛び込んでみたいという人は止めはしませんが、もっと良い働き方はたくさんあると思うんですよね・・・
SES企業に入社しても絶対不幸せになるということではありませんので、様々な情報を集めてた上で、選択肢の1つとして考えてみてください。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!それではまた!
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