SESの闇? | SES契約で働くとどのような一日を過ごすのか

SES契約社員の一日画像 IT

俺はSES契約で働くサラリーマン「江水 枝須男(えすい えすお)」
(江水)「今日もがんまりますかー」
・・といっても任された作業を淡々とこなすだけなんだけどね。

そんなSES契約で働くサラリーマン「江水」のある一日。
※筆者の実体験や見聞きした情報に基づいておりますが、江水は架空の人物であり、内容も少し脚色してます。

SES契約で働く「江水」の一日を通してSES契約がどういうものなのか見てみましょう。

アンコク会社:江水が在籍するSES企業
王手株式会社:江水が参画しているプロジェクトの一次受けSIer企業。大手企業である。
※会社名などは架空の名称であり、実在するものではありません。

オシャレなオフィスに出社!特に挨拶する相手はいない

今日もいつもと同じ道、同じ電車で通勤だ。街中の電車はやはり今日も混雑している。

俺はSES企業であるアンコク会社(仮名)の正社員だ。
しかし、出社するのは王手株式会社(仮名)のオフィス。
実は王手株式会社のプロジェクトにSES契約で参画しているのだ。

このプロジェクトに参加してからは毎日出勤する先も王手会社のオフィスだ。
俺はアンコクの正社員だが、基本的に自社のオフィスには出社しない。アンコクのオフィスにはたまに定時後に事務手続きなどをするために寄ったりする程度だ。

しかも、うちのアンコクのオフィスは在籍社員数が多いわりに小さく子汚いのだ。あまり長居したいとも思っていない。
実際、在籍社員が全員同時にオフィスに来た場合は1人1台のPCを割り振ることさえできないというか在籍社員分の机すらない。自社のオフィスなのにだ。それほど、自社に出社する社員は少ない。

でも、王手会社のオフィスは違うな〜。
オシャレなオフィスビルの22階。こんなところで働けるのがうれしいぜ!

そして在籍しているプロジェクトは俺のようなSES契約で参加しているメンバーも多い。

全部で3社の社員で構成されている。そして実はアンコクからは俺一人。
そのため、自社の社員と会わない日々が続いている。こんな生活もSESならではだよな〜。

「同期入社のあいつは今頃どんな作業してるんだろ」

  • 自社のオフィスではなく、SES契約先の企業に直接出社する。
  • プロジェクトによっては、自社の社員がいなくてプロジェクトに自分一人という場合もある。
  • 場合によっては、同期の社員と数か月間も顔を合わせないこともあります。

午前業務(データ打ち込み)

俺は自社のシステム部に所属している。どこからどう見ても、IT系企業のエンジニアと言って良いだろう。しかし、俺がここでやっている作業はプログラミングではない。
簡単なデータの打ち込み作業をやっている。

やり方さえ覚えれば高校生のバイトでも難なくこなせる仕事内容だ。

システムから出力されたデータを別のシステムに読み込ませるためのデータ打ち込み作業という感じだろうか。その作業を日課としている。今日もこの単純作業を完璧にこなす。

誰でも簡単にできるからと言って気を抜くわけにもいかない。簡単な仕事だからミスしたときにかなりの評価が下がることも想像できるからである。こう考えたら単純作業も奥深い・・・

しかし、こんな作業を続けていて自分は立派なIT人材になれるのだろうか。

  • 勉強にもならない単純作業をもくもくとやらされることも多い。

昼休憩

よし、やっと昼休憩だ。

いつもはオフィスにお弁当を売りにくる業者もいるので、そこで買って済ましてしまうことも多い。

しかし、ここは自分の会社ではないため、休憩時間までずっとオフィスにいるのも肩身が狭い。
「今日も近くのラーメン屋に行くか」

休憩時間になると無言で席を立ち一目散にエレベーターに乗って1階まで移動した。
何度も言うようだが、他社のオフィスで働いているという状況のため、プロジェクトで直接関わりがない社員とは全然話したこともない。だからほとんど声をかけられることもない。

この状況が合う人には合うかもしれない。まあ、個人的にはしっかりとチームで動いていけるような環境の方が好きだけど、もう慣れた。

行きつけのラーメン屋で焦し味噌ラーメンを食べ終わって、オフィスに戻る道の途中で同じプロジェクトの王手正社員の知り合いが数人でワイワイしながら歩いているのを見かけた。

自席に戻るともう休憩時間は終わり間近。午後も淡々と作業をこなしていこう。

  • プロジェクト先の会社なので、作業で関わる人以外とは全然接点はない。
  • そのため、自然と孤立することも多い。

自社ではないので面倒な対応(電話、来客)はない

当たり前だが作業場である王手オフィスにもたびたび電話がかかってくる。もちろん俺はここの社員ではないので電話に出ることはしない。出る必要もない。

まあ楽っちゃ楽かな。電話が来ても基本無視で良いし、来客があっても同じく対応する必要はなし。基本は自分は関係ありませんよというスタンス。だってここは自分の会社ではないからね。(もちろん誰に何も文句は言われないし、間違った行動はとっていない)

変に色々な気を遣わなくて良いのは作業に集中できて良いことかもしれない。また、そのような対応が苦手だったりする人には嬉しいことかもしれない。しかし、個人的には1人の社会人としてのはちょっとどうかとは思っているが・・・まあ、実際それ以外の対応をしようがないのも事実。

そう、基本部外者である俺はここでは周りに気を遣う側ではなく、どちらかというと気を遣われる側なのだ。

  • 自分の会社のオフィスではないので、電話や来客の対応をする必要ない。
  • 仕事場では「気を遣われる側」

午後業務(資料の印刷)

さて、午後の仕事の始まりだ。
時間に余裕があるから、まずはネットサーフィンでもして時間を潰そうかな。

IT業界にいる身としては日々の情報収集も仕事のうちだぜ。

・・・(カチカチ)

よし、ざっと今日のITニュースには目を通したぞ。
気は進まないが、そろそろ依頼されていた作業に取り掛かろう。

依頼されていた作業への着手に乗り気ではないのには、実は理由があった。

その作業は既存のシステムから出力された報告書(PDF)をひたすら印刷し、その報告書の中の数値が正しく表示されているかを確認する、というITエンジニアらしからぬ作業だからだ。(誰でもできる・・・)

うーん、こんな雑用をしなければいけないとは。でも誰かがやらないといけない仕事。そして、自分はSES契約で時間単価での作業に対して対価をもらっている立場なので、断ることもできない。

まあ、この王手会社からしたら、自分は自社の正社員ではないので、技術的な成長を促すような作業をさせる義理もなければその必要もない。

ただの一作業者にすぎない。だれもやりたがらない単純作業を割り振られてしまうのもわかる。

  • 午前中に引き続き単純作業をやらされる。

定時に退社!

俺は毎日定時に退社している。残業なんてもってのほかだ。

言われたことを淡々とやって、帰るそれだけ。
さらに「残業になりそうなら無理しなくて明日で良いよ」と言ってもらえたりすることもある。

しかし、こんな誰でもできるような作業を続けていて今後自分はどうなっていくのだろうか。
時間単価で働いているので、給料も全然上がらないし。

ちょっと将来は不安になったりもする。

  • 基本的に定時退社できるという現場も多い。
  • そのような現場で緩い生活をしているのも、辛くはないが、将来を考えると不安になることも多い。

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